子育て/行政/コミュニケーション

女の分岐点(2)「産み・育てやすい社会」って、どんなの?

9年ほど前、ベビーカーに乗せた長男と電車でお出かけした時のことです。地下鉄の構内は階段がたくさんあり、エレベーターの設置箇所も今ほど多くありませんでした。
段差があるたび荷物を置きベビーカーを持ち上げ、また荷物を取りに戻っての繰り返し。2人目を妊娠中の私には重労働です。そこに20代男性が現れ、荷物をベビーカーのところまで持ってきてくれたのです。
嬉しくて思わず「あなたはきっといいパパになります!」「私も(困っているかたがいたら)同じことをします」と言ったところ、かなり驚かれて足早に去られてしまいましたが……。

産みやすく育てやすい社会になりつつあるけれど

10年前と比べて、公共・商業施設のバリアフリー化は進み、ベビーカーを押しながらのお出かけは格段としやすくなりました。おむつ替えスペースも多くなり、商業施設によっては授乳室を設けているところもあります。
また政府は、女性の社会進出を少子化対策の一環と捉え、保育施設の増設をはじめ企業主導型の保育事業の促進、マタハラ(マタニティハラスメント)防止の啓蒙活動、「イクボス」や「子育て」を尊重する企業文化の醸成、テレワーク促進など……。多方面から少子化対策をおこなっています。

とくに「イクメンプロジェクト」は多くの人に認知され、お姑様も「今のお父さんたち(イクメン)は偉い!私らの時代は、男性が育児を手伝うなんてなかった」と感心しているほどです。

政府が進めている少子化対策によって、確かに昔よりは子育てがしやすい世の中になってきたように思えます。その一方で、住む地域によっては出産・子育てに必要な費用(たとえば妊婦検診費、子ども医療費助成、保育料など)に差があり、用意するお金の大変さから産まない選択をせざるをえない方もいるようです。

「産み・育てやすい社会」のしくみづくりで、本当に産みやすい社会になる?

さまざまな問題を抱えてはいますが、着実に進んでいる少子化対策。しかしまだ、日本が「産み・育てやすい社会になった」とは言えないでしょう。
仮に行政が「産み・育てやすい社会」の基盤を作っても、そこで暮らす私たちの心がそれを受け入れない限り、うまく成り立ちません。もちろん逆も同じ。私たちが子どもに好意的になっても、出産・子育てにかかる費用が高すぎる上、預ける場所もなく、ベビーカーで散歩するのも大変な世の中ならばママの負担は大きくなり、子育てに影響を及ぼしかねません。

だからこそ、行政にできることはしっかりやってもらって、私たちができることも行動にうつしていけたらいいな、と思うのです。

「産み・育てやすい社会」のために私たちができること

冒頭に登場した20代男性に出逢ってから、ママさんが困っている姿を見たらなるべく手を差し伸べるようになりました。親切な男性がくれたバトンを誰かに渡してその相手がまたどなたかに……とめぐっていければ「ひとりで育児をしている訳ではない。互いに守り合っているんだ」という気持ちを一瞬でも感じられると思うのです。
そういう目に見えにくいけれど確かに存在している「コミュニケーション」があれば、育児する側も心強いと思います。そしてそれは、私たち一人ひとりが気にかけていればできることなのです。

そして、困っている人を助けるだけがコミュニケーションではありません。子どもを知ろうとする気持ちも、コミュニケーションから生まれると思います。
たとえば子どもと日頃からふれ合っていれば「時には騒いでしまうけど、いっしょにいると楽しい存在」と、子どもに対してプラスの感情を抱きやすいでしょう。しかし子どもとのコミュニケーションが絶対的に不足していれば、子どもが泣くとすごい剣幕で怒るオトナや、子育てに理解を示さない上司になりかねません。子どもの特性などを知らないために対処法がわからず「NO」のスイッチを入れてしまうことは、誰にでもあり得ると思うのです。

だからこそ子どもと出かけた際は、地域の人との交流を大切にしてみようと思います。その際、困っている人がいたら声をかけることも忘れずに。
そういう何でもないことが、もしかしたら「産み・育てやすい社会」に繋がるかもしれないと信じつつ……。

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